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Japanische Klassiker mit Furigana

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こころのしらべ

心の調べ

宮城 道雄

Lesen Sie 心の調べ (こころのしらべ) von 宮城 道雄 (みやぎみちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 29.958 Zeichen · 66 Bildschirme

Aozora Bunko

それで父がいつも借金取りの断りを言っているのを聞くのが一番辛かった。しかし、貧乏のせいか気持は家族的であった。

私がお弟子の家などへ招かれて行って、御馳走が出ると家の者にも食べさせたいなどと思うと、その御馳走がのどを通らなかったことが度々あった。

私を子供の時から母代わりになって育ててくれたおばあさんが亡くなってから、私は仁川をはなれて京城のある箏のお弟子先で、箏を教えながら居候のようなことをしていたので、自然、父とは別れることになった。

ある冬の日に、私は人力車にのって出稽古に行く途中、朝鮮の寒い風が吹きまくって、寒気が身にひしひしとしみわたった。その時ふと、父のことを想い出して、この寒さにどうしているかと思うと、矢もたてもたまらなくなって、出稽古から帰るとかせぎためた何がしかを早速、父に送ったこともあった。こんなことを書いているとはてしもないが、私は箏を習い始めてからは、つらさも、悲しさも、うれしさも、いずれの時も箏と二人づれであった。箏に向えば希望が湧いて、いかなる心の苦難も解決出来るような気がした。それは箏と永年、苦楽を共にして来た今でも同じ気持である。