Japanische Klassiker mit Furigana
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「しんりしけん」じょ
心理試験
小酒井 不木
Lesen Sie 心理試験 (「しんりしけん」じょ) von 小酒井 不木 (こざかいふぼく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 96.338 Zeichen · 197 Bildschirme
D外相の死後、首相が外相を兼任したので、外相官邸は当分の間依然として前外相の家族によって住われていた。
首相の御声掛りだったので、数十人の人々が、所定の時刻に参集した。まったくの秘密だったので、この夜のことは勿論新聞などに記載されなかった。人々は半ば好奇心をもって来邸したが、中にも警視庁の人々は、I総監をはじめとして、松島氏がどんな実験をして、どんな風に犯人推定を行うかと胸を躍らせて待ちかまえた。
やがて松島氏は人々にホールの中へはいって貰い、外相の殺されたところに、首相とI警視総監に先夜のように着席してもらった。人々はどんなことをするのかと片唾を嚥んだが、その時首相から二間程隔って立った松島氏が左の手を上げると、その途端に夫人の手で電燈が消されて真闇になり、次でパッと一団の火が燃えたかと思うとドンと音がした。松島氏がピストルを打ったのである。実験とはいいながら、さすがに人々は肝を冷したが、程なく再び電燈がついて、首相にもI警視総監にも何の異常もなかったのでホッとした。総監は過去一ヶ月間の心労によって、その頬に窶れが見えたが、電燈がついた時、いかにも寂しそうに笑って首相と顔を見合せた。