Japanische Klassiker mit Furigana
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おもいだすかずかず
思い出すかずかず
宮本 百合子
Lesen Sie 思い出すかずかず (おもいだすかずかず) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.924 Zeichen · 10 Bildschirme
皆、草履袋を下げ、それを振廻したり、喧嘩の道具に使ったりしながら、男の子でも下駄か、皮草履を穿いて通学した。いつもいつも靴を穿いているのは、きっと、級の中でも気取屋に属していたような有様なのである。
それで、今書きながらも念い出しておかしいのは、私の一級下に、或る金持の、痩せて特徴のある表情をした令嬢がいた。その人は、いつでも靴を穿いている。而も、その靴が、子供らしい尨犬のようなのではなく、細く、踵がきっと高く、まるで貴婦人の履き料のような華奢な形のものなのである。
十二三の女の子の眼を瞠らせずには置かない。私は、驚いたり、羨しかったりで、熱心に眺めた。ところが、どうしたのか前の方の形は実に素晴らしいのに、後で見ると、踵がまるで曲って内側に減り込んでいる。形が、子供の運動には余り不適当なので、あんなに歪んでしまったのだろう。それ故、歩くのが平らかに行かない。どうしても、きく、きく、と足が捩くれる。きくり、とする度に、ぴったりと形に適った鞣皮をぱんぱんにして、踝が突出る。けれども、その位の年頃の女の子はおかしいもので、きく、きく、しながらそのひとは一向かまわず、而も得意で廊下や段々を昇り降りする。