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Japanische Klassiker mit Furigana

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かいいくらやみまつり

怪異暗闇祭

江見 水蔭

Lesen Sie 怪異暗闇祭 (かいいくらやみまつり) von 江見 水蔭 (えみすいいん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.923 Zeichen · 26 Bildschirme

Aozora Bunko

てくれたのが、私達の仕合せで、多摩の山奥から来た参詣人などは、初めていきの好い魚を食べられるなんて、大喜びでございます」

「そう講釈を聴くと江戸では珍らしくないが、一つ海鰻を焼いて貰って、それから鯒は洗いが好いな。まあその辺で一升つけてくれ」

「一升でございますか」

「いずれ又後もつけて貰う。白鳥で大釜へつけて持って来い」

「へえへえ」

小机源八郎は長沼の内弟子。言って見れば今の苦学生だ。金は無いのだ。ところが今日は暗闇で旗本六人が鼻をそがれた敵討というので同門から金を集めてくれたので、大分懐中は温かいのだから、大束を極めて好きな酒が呑めるのであった。

隣りの腰掛で最前から、一人でちびりちびり、黒鯛の塩焼で飲んでいる旅商人らしい一人の男。前にも銚子が七八本行列をしているのだが、一向酔ったような顔はしていなかった。色は青味を帯びた、眉毛の濃く、眼の鋭い、五分月代毛を生した、一癖も二癖もありそうなのが、

「お武家様、失礼ながら、大分御酒はいけますようで」と声を掛けた。

「いや余計もやらぬが、貧乏世帯の食事道具呑位のものじゃ」

「へえ、貧乏世帯の食事道具呑……聴いたことがございませんな。