Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かいだん

怪談

平山 蘆江

Lesen Sie 怪談 (かいだん) von 平山 蘆江 (ひらやまろこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.551 Zeichen · 7 Bildschirme

Aozora Bunko

この二人の話し声であった事はすぐに判ったが、ここに今尚判らぬ事がある。というのは、この男女は私が坂を通る時に、坂下の茶見せに休んでいたので、私はそれを横目に見ながらたしかに追いこしたのだ。一旦追いこした筈の男女が、いつどこで私を追いぬいたという事なしに、ちゃんと私より前方を悠々とあるいていたという事である。それが今だに解けない謎になっている。男は藍微塵の素袷、三尺をしめて尻を七三に端折り女は単衣の弁慶縞で唐米子の帯を引っかけに結んで、髪をいぼ尻巻にし、片腕を腕まくりしていた、一寸与三郎と切られお富が相合傘であるいているという形ち、而もそれが近江路の鈴鹿峠なんだから、馬鹿馬鹿しいほど似つかわしからぬ人物である。若しそれが夜中だったら、差程には思うまい。真昼間の初夏の雨の日だったから、一際凄く感じている。

も一つ真昼間の凄味に慄え上った経験がある、それは二十五の年であった。支那の営口にいる時の事私と同じ仕事をしている日本人が一人、支那人にだまされて北京へ行ったまま、音信不通になったので、その生死を見届ける為め、又探し出して助けてかえる為めに、私一人が北京へ出かけて行った。