Japanische Klassiker mit Furigana
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あくいんねんのうらみ
悪因縁の怨
江見 水蔭
Lesen Sie 悪因縁の怨 (あくいんねんのうらみ) von 江見 水蔭 (えみすいいん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.705 Zeichen · 28 Bildschirme
産婦に血を上らしてはいけねえと、連れて来た赤ン坊を今産れたと偽る様に産婆と腹を合せてその場を繕ったのが今のお玉。実のお母親の気でいても全くは他人、この魂胆を知っているのは松五郎の生前に聴いた俺ばかりだ……とお前のところの隠居に云わせるのだ」
「お前さんは実に偉い。智慧者だねえ。そうすればお玉さんは松五郎の子で無いのだから、敵同士の悪縁という方は消えて了うね」
「そうだよ。それで双方申分が立つてえものだ。なアにどっちからも惚れ合っているのだから、こいつは少々怪しいと思っても、筋さえ立っている分には、それで通して了おうじゃアねえか。人間このくらいな細工をするのは仕方がねえよ。嘘も方便で、仏様でも神様でも、大目に見て下さろうじゃアねえか」
「では早速そういう事に取掛るに就ては、内の老爺をここへ呼んで来ますよ」
「その序でにお玉坊のところへも一寸立寄って、悪い様にはしねえ。近い内に好い便りを聴かせるから、楽しみにして待っていねえと、そう云って喜ばして置くが好いぜ」
「ああそうしましょう」
「留守の間に店の菓子を片っ端から食べるが好いかい」
「好いどころじゃア無い、前祝いに一升提げて来ますよ」