Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あくいんねんのうらみ

悪因縁の怨

江見 水蔭

Lesen Sie 悪因縁の怨 (あくいんねんのうらみ) von 江見 水蔭 (えみすいいん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.705 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

今なら電車も汽車も自動車もと云うところだ。

「いよ、それに限る。それで弁天様よりも美しい娘なんだな」

「左様で御座いますよ。色は少し黒う御座いますがね」

「それはどうも仕方が無い。御前、如何です、そう致そうじゃア御座いませんか」

「美人はともかく、船で川崎まで溯るのは思いつきだ。早速、その用意をして貰おう」

三

お嬶が呼びに行ったが、間もなく帰って来て、

「じきに参ります。船をここのすぐ下まで廻させます。お値段のところは、お分りになっている旦那方ですから、わざッと極めて参りませんでしたから、そこは宜しい様に……」

「や、魚の買振りで、すッかり懐中を覗かれたね。その分で茶代もハズムと思っていると大当違いだよ」と宗匠は引受けて弁じ立てた。

そこへ早や一隻の荷足り船を漕いで、鰕取川の方から、六郷川尻の方へ廻って来るのが見えた。

「あれだな」と若殿が扇子で指した。

「左様で。あれで御座います、近くなる程綺麗に見えます」

「遠くでも光って見えるね」と又しても宗匠が口を出した。

「あの艪を漕ぐ腰ッ振が好う御座いますね」と市助までが黙ってはいなかった。

「あなた方、前以てお断りして置きますが、あれで色気と云ったら些ともありません。