Japanische Klassiker mit Furigana
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あくまのもんしょう
悪魔の紋章
江戸川 乱歩
Lesen Sie 悪魔の紋章 (あくまのもんしょう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 151.280 Zeichen · 301 Bildschirme
決して半月も一月も前からあるものではなく、昨日今日ここに運び込まれたものとしか見えぬのだ。
妙なことに、その墓石の表面には、戒名のあるべき中央の部分が空白になっていて、その傍のところに、小さく「昭和十三年四月十三日歿」とだけ、今鑿を入れたばかりのように、クッキリと鮮かに刻んであった。
待てよ。昭和十三年と云えば今年ではないか。四月といえば今月ではないか。そして、十三日といえば、アア、何ということだ。今日は十二日だから、十三日と云えば明日の日附ではないか。
川手氏は気でも狂ったのではないかと、我が目を疑った。幻覚ではない。決して読み違いではない。この通り確かに昭和十三年、四月、十三日と刻ってある。態々指を当てて、一字一字をさすって見たが、決して読み誤りではなかった。
一体これは何を意味するのだ。明日死ぬに違いない誰かの墓が、こうしてちゃんと用意されているのであろうか。だが、どんな重病人でも、いつ何日に死ぬと予め分っているというのは変ではないか。死刑囚ででもない限り……、と考えている内に、川手氏は見る見る幽霊のように青ざめて行った。
若しかしたら、これは俺の墓じゃないのかしら。