Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あくまのもんしょう

悪魔の紋章

江戸川 乱歩

Lesen Sie 悪魔の紋章 (あくまのもんしょう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 151.280 Zeichen · 301 Bildschirme

Aozora Bunko

「俺を殺すというのか」

「オオサ、貴様をよ。それから、貴様の大じの大じの満代さんをよ」

「なぜだ。なぜ俺達を殺さなければならないんだ。君はそうして、大金を手に入れたじゃないか。それだけで満足が出来ないのか」

「ところがね、やっぱり殺さなくちゃならないんだよ。マア考えても見るがいい。俺がこの家を立去ったら、貴様はすぐ俺の名を云って警察へ訴えて出るだろう。そうすれば、俺は折角貰ったこの金を使うひまさえなかろうじゃないか。エ、色男、どうだね。マアそう云った理窟じゃねえか。貴様が余計なおせっかいをして、俺の正体を看破ったのが運の尽きというものだ。自業自得と諦めるがいいのさ。

イヤ、そればかりじゃない。仮令貴様が俺を看破らなかったとしたところが、貴様達夫婦がそうして仲よくしているところを見せつけられちゃ、俺ア黙っちゃあ帰られねえ。八年前の意趣ばらしだ。イヤ、八年前から今日が日まで、片時として忘れたことのねえ恋の遺恨だ。貴様も憎いが、満代はもっと憎いんだ。恋いこがれていただけに、今の憎さがどれ程か、思い知らせてくれるのだ」

賊は憎々しく云いながら、血に濡れた九寸五分を、又しても満代の頬に当てた。