Japanische Klassiker mit Furigana
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あくまのもんしょう
悪魔の紋章
江戸川 乱歩
Lesen Sie 悪魔の紋章 (あくまのもんしょう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 151.280 Zeichen · 301 Bildschirme
私立探偵の宗像だよ」
「本当ですの? でも、何だか……、ねえ、すみませんが、その懐中電燈で、あなたの顔を照らして見て下さいませんか」
真実気が違ったのかも知れない。男装の女は、何か異常な熱心さで、床下から這い出して、博士の前に立ちはだかった。
「ハハハ……、妙な註文だね。よろしい。サア、よく見るがいい。君を捉えた男がどんな顔をしているか、よく見覚えて置くがいい」
博士は電燈の丸い光を、我れと我が顔にさし向けて、朗かに笑って見せた。
女は闇の中から、大きな眼鏡を光らせて、異様に執念深く博士を見つめた。いつまでも、いつまでも、獲物を狙う牝豹のような感じで、名探偵を凝視しつづけた。真暗な中から、ひどく弾んだ息遣いが、ハッハッと薄気味悪く聞えた。
二人とも身動きもしないで、永い間立ちつくしていた。それは実に不思議な、息づまるような光景であった。両人の身辺から、何とも名状の出来ない殺気のようなものが立ち昇るのが感じられた。
明智小五郎
神社の森の中で、宗像博士と北園竜子との不思議な問答が行われている頃、警視庁の中村捜査係長は、麻布区龍土町にある、私立探偵明智小五郎の事務所を訪ねていた。