Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あくまのもんしょう

悪魔の紋章

江戸川 乱歩

Lesen Sie 悪魔の紋章 (あくまのもんしょう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 151.280 Zeichen · 301 Bildschirme

Aozora Bunko

で、君はあの事件の大体の輪郭は分っている訳だね」

「ウン、新聞に出ただけは分っている。だが、君の口から詳しい話が聞きたいもんだね」

「無論話すがね。それよりも、ここにいいものがあるんだ。僕個人の捜査日記だよ。君に読んで貰おうと思って持って来たのだ。口で云うよりも、これを一読してくれれば、一切がよく分ると思う」

警部はポケットから大型の手帳を取出して、そのある頁を開き、明智に手渡した。

明智はそれを受取ると、早速読み始めた。ソファに深く凭れ込んで、長い脚を組んで、その膝の上に手帳をのせ、丁寧に頁を繰って行った。

疑問の箇所にぶつかると、読むのをやめて、警部に質問する。警部は一々詳細に答える。そんなことを繰返して、たっぷり三十分程も費すうちに、明智は事件の経過をすっかり呑み込んでしまったように見えた。

「遠慮なく感想を聞かせてくれたまえ。僕は渦中にあるので、冷静な判断がむずかしいのだ。全く白紙でこの事件を見渡して、君はどう考えるね」

警部が促すと、明智はソファに凭れ込んで、腕組みをして静かに目をつむったまま、暫らく黙り込んでいたが、やがて落ちついた口調で話しはじめた。