Japanische Klassiker mit Furigana
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あくまのもんしょう
悪魔の紋章
江戸川 乱歩
Lesen Sie 悪魔の紋章 (あくまのもんしょう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 151.280 Zeichen · 301 Bildschirme
「明智君、君は本気でそんな無茶を云っているのですか。酔っているのじゃありませんか、仮令悪人にもせよ、死の間際に書き残したあの告白が、出鱈目だなんてあり得ないことです。君こそ出鱈目を云っているとしか考えられませんね。それとも何か、あの遺書を認めない、はっきりした理由があるのですか」
一座の人々も、この口論では、宗像博士に味方しないわけには行かなかった。明智は今日はどうかしているのだ。博士が云ったように、酔っぱらっているのかも知れない。刑事部長と捜査課長とは、非難をこめた眼差で、無言のまま明智の顔を見つめるばかりであった。
ところが、博士の詰問に答えた明智の言葉は、ますます意外な、殆んど健康人の論理を無視したようなものであった。アア、明智は本当に気が違ってしまったのではあるまいか。人々はもう、あっけに取られて、急には言葉も出ない有様であった。
「無論、遺書を認めない理由ははっきりしていますよ。あの自殺した男が、果して犯人の一人であったかどうかを疑うからです」
「エッ、なんですって? 君は、犯人でもない男が、あんな遺書を書いて飛降り自殺をしたというのですか」