Japanische Klassiker mit Furigana
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あくまのもんしょう
悪魔の紋章
江戸川 乱歩
Lesen Sie 悪魔の紋章 (あくまのもんしょう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 151.280 Zeichen · 301 Bildschirme
宗像博士も不承不精に着席した。
そこで、明智が話しはじめる。
「僕は中村君からこの事件の経過を聞いた時に、殺人鬼の行動に、一つの心理的な矛盾があることを気附いたのです。そして、その角度から、宗像君とは全く別の見方で、この事件を眺めて見ようと思い立ったのです。
その矛盾というのは外でもありません。犯人はなぜ川手氏の死体を衆人の前に陳列して見せなかったかということです。
川手氏の二人の娘さんは、実に残酷なやり方で、見世物のように衆人の眼の前に晒されている。娘さん達でさえそんなひどい目にあわせた復讐者が、当の川手氏に限って、その挙に出なかったのには、何か特別の理由がなくてはならない。若しかしたら、犯人は川手氏を、死体の陳列は出来ないけれども、しかし、死体の陳列などよりももっと残酷な方法で殺害したのではないか。例えば長い時間かかって、徐々に死んで行くような、極度に残虐な方法を案出したのではないかと考えたのです。
そこで僕は竜子が自殺をした翌日、川手氏が行方不明になったというN駅の近くの、山中の一軒家へ出かけて行きました。ある理由の為に、このことは、ここにいる中村君以外には、誰にも知らせず、こっそり出発したのです。