Japanische Klassiker mit Furigana
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せきべつ
惜別
Lesen Sie 惜別 (せきべつ) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 91.984 Zeichen · 178 Bildschirme
彼等は頗る行儀が悪かった。まっぱだかで大酒を飲んでいた。時の所謂『道徳家』たちは彼等を、ごろつきの背徳者として罵り、いやいまだって上品ぶった正人君子たちは彼等の行状には顰蹙しているのです。しかしあの竹林の名士たちだって、自分たちの生活を決して立派なものだとは思っていなかったのです。仕方が無かったのです。竹藪の他に住むところが無くなってしまったのです。世は滔々として礼を名目にして、自己に反対する者には出鱈目に不孝などの汚名を着せ、これを倒し、もっぱら自己の地位と富の安全を計り、馬鹿正直に礼の本来の姿を信奉している者は、この偽善者どもの礼の悪用を見て、大いに不平だが、しかし無力なので、どうにも仕様がなくて、よろしい、そんならばもう乃公は以後、礼のレの字もいうまい、という愚直の片意地が出て来て、やけくそに、逆に礼の悪口をいい出したり、まっぱだかで大酒などという乱暴な事をはじめるようになったのではないかと思うのです。しかし、心の底で、礼教を宝物のように本当に大事にしていたのは、当時この人たちだけだったのです。当時、こんな『背徳者』のような態度でもとらない事には、礼の思想を持ちこたえる事が出来なかったのです。