Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆかいなきょうしつ

愉快な教室

佐藤 春夫

Lesen Sie 愉快な教室 (ゆかいなきょうしつ) von 佐藤 春夫 (さとうはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 10.276 Zeichen · 21 Bildschirme

Aozora Bunko

まことににぎやかなことであった。B子だけがただひとり浮かぬ顔をして草を見つめている。

午後三時すぎの早春の日ざしが、さんさんと犬と少女との一団のうちに明るく降りそそいでいる。

折から職員室の方から出てラケットを振り振り、コートの方へは行かないで、草上の一団を目ざして近づいて来るらしい人がある。これを遠眼に見た一同は、

「イタチが来るよ」

「イタチが来るよ」

と囁き交している。

イタ先生が来て、

「だいぶんにぎやかで楽しそうだね」

と言いかけたころには、先生の見たものは蜃気楼か何かでもあったかのように、一団はもうどこへやら、雲か霞のように散らばってしまっていた。別に逃げかくれしたわけではなく、もうそろそろ退散の時刻になっていたので、自然とちりぢりに引き揚げて行ったのである。

先生は不満げにコートのある方へ足を向けて行った。

校庭を出た生徒たちは三三五五、なかには帰りがけに、いつもきまった坂の上あたりで行き逢う焼芋屋に出会ってE子はドロシーのおみやげを、M子は帰宅後のお茶受を仕入れているのもいる。

校庭はひっそりとして、西に傾いた日ざしのなかで、犬はあちらこちらと少女たちのにおいをかぎ求めて教室にも行ってみるが、人影一つなく、最後にあきらめて、犬は犬同士で半ばは枯れ半ばは萌えた草の上でじゃれころがっているばかりで