Japanische Klassiker mit Furigana
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わがやのらくえん
我が家の楽園
久生 十蘭
Lesen Sie 我が家の楽園 (わがやのらくえん) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 90.195 Zeichen · 175 Bildschirme
たか、七つだったか……客のために、丸ビルくらいの七階建のアパートがあって、クリスマスには、特別列車で客を運んで、一と晩に、五十ダースのシャンパンをあけるというんだから、お話にもなにもなりはしない」
「お話にならんというのは、こっちのいうことや。石田さん、清水はですね、シュラーが鷹揚なのをいいことにして、占領中、さんざええことをしたんや……いまだからいいますが、この家を、シュラーの収用ハウスにむけて、どこの国のものとも知れんような、おかしげなぐあいに改造したのは、なにを隠そう、こいつの仕業なんやで」
石田氏は額際まで赤くなって、すごい眼つきで清水氏を睨みつけた。
「この家を改変したのは、君だったのか」
「さようです……尤も、私が扱いましたのは、プランニングだけなんで」
「醍醐の三宝院を写した、床脇の棚を壊して、不潔極まる婦人の洗滌器を据えつけたのは、君がやらせたことなんだね?」
「やらせた、というわけではございません。プランニングのぐあいで、なんとなく、そんなふうになっちまったんで」
「上段ノ間の畳を放りだして、安物の蝋引の床にしたのも?」
「さようです」
「清閑院の杉戸をとっぱらって、バアのような磨ガラスの戸をはめこんだのも?」