Japanische Klassiker mit Furigana
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わがやのらくえん
我が家の楽園
久生 十蘭
Lesen Sie 我が家の楽園 (わがやのらくえん) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 90.195 Zeichen · 175 Bildschirme
夜卓はビデェ付の大きなやつで、そのうえに裸体美人の透しのある桃色のシェードのかかった卓上灯が載り、一帯の雰囲気が、気の散るほど、なまめかしいのには驚いた。
一人で寝るのに、こんなにたくさんベッドがいるはずはない、というのは、庶民の考えることで、クリスマスに特別列車で客を運び、一と晩に、五十ダースもシャンパンをあけるというハークネス家のことだから、求婚の旅行にも、たぶんお伴がたくさんついてくるのだろうと、解釈しておくことにしたが、聞いた話と、話がちがうようで、なんだか変な気がした。
石田家の庭に、わがもの顔にはびこっているアメリカの花どもは、雨にもめげず、風にもめげず、ダイナ颱風などはどこ吹く風といった顔で、五尺もある長い茎を振り振り、吹き折られもせずに凌いでしまった。アメリカの花は、花までしぶといと呆れていると、都内にあった米軍の施設が、いくつかの住宅地区と軍用倉庫をのぞいて、すべて都下の線へひきさがった七月廿六日の朝ぐらいから、なんとなく元気がなくなり、あたかも平和条約の規定に服そうとでもいうように、三日ほどのうちに、残らず立枯れしてしまった。