Japanische Klassiker mit Furigana
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わがやのらくえん
我が家の楽園
久生 十蘭
Lesen Sie 我が家の楽園 (わがやのらくえん) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 90.195 Zeichen · 175 Bildschirme
強情に土にしがみついていると思ったのは、こちらの見立てちがいで、強持の異種の花どもにとっても、ダイナ颱風は痛手だったらしく、むやみに振りまわされたあとの長雨で、土から浮きあがった根を洗われ、つまりはデラシネ(根切れ)になって、花の命を終らせた。庭一面にはびこっているときには、憎らしい気もしたが、こうして枯れてしまうと、うらさびしいようでもあった。
七月の末、子供連れのハウス・メードが出ていくと、翌日、代変りがお目見得にきた。
先代は、駐屯基地の兵隊宿舎や、帰還部隊のテント・シティで顔を売った大物だったが、二代目は、住宅地区の家族ハウスや、独身将校の収用住宅のほうを専門にやり、この家にも、いぜん、半年ほど働いていたことがあるといっていた。
季節は、いかにも夏はじめだが、思いきった夏衣裳で、シュミーズの肩紐の透けて見える空色の薄いレーヨンのブラウスに、格子縞のスカートを短くはき、ラグビーのボール形のハンド・バッグを抱えたむきだしの腕に、タガのような赤いセルロイドの腕輪をはめているという体裁だった。
長坂ヨノ、廿歳……大きな子供の身丈ぐらいしかないおチビさんで、こけし人形とそっくりの顔をしている。