Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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わがやのらくえん

我が家の楽園

久生 十蘭

Lesen Sie 我が家の楽園 (わがやのらくえん) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 90.195 Zeichen · 175 Bildschirme

Aozora Bunko

このまま、私がそっと抱えて行きます。だいぶ囈言をいわれるようですが、下手に刺激して、脳症でも起すとことですから、落着かれたら電話で連絡します。それまでは、どなたもおいでにならないように」

しいんとしずまった、こわいような顔でそういうと、大里氏は千々子さまを抱えて、門のあるほうへ降りて行った。

シュラー・ハークネスの名を騙って、ほうぼうで取込み詐欺を働いていた男は、シュラーがアメリカへ入った直後、入れちがいにエルマンなどといっしょに、麻布の収用住宅に入って、一年ほど住んでいた仏系カナダ人で、シュラーの表札が残っているのをいいことにして、対日本人の関係では、シュラーになりすまし、さんざ、いいことをしていたのだそうである。その後、いちどカナダへ帰ったが、日本の味が忘れられず、この夏、観光団にもぐりこんで、こっそりと密入国をし、二年前の縁故をたどって、ひと儲けしようとかかっていたが、ミドリさまと結婚した翌日くらいに、密入国と偽造ドル小切手使用の嫌疑で、横浜税関の監視官につかまった。

千々子さまは、むしろ運がよかったので、洋館の屋根から身投げをするほどのことは、なにもないはずだった。