Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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わがやのらくえん

我が家の楽園

久生 十蘭

Lesen Sie 我が家の楽園 (わがやのらくえん) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 90.195 Zeichen · 175 Bildschirme

Aozora Bunko

石田氏は、聞けども聞かざるごとくに、茫々と突っ立っていたが、そのうちに、批評の余地を見いだしたのか、

「誰がプールに給水したか、君のほうで、確認しているのかね」とたずねた。

「そんなことは、私のほうには、わかりません」

「それじゃ、漏水だろう」

「なんであろうと、メートルに出ていれば、規定によって、払っていただくことになっています」

「そんなものに、払う金はないから、いくど言っても無駄だ。それでは困るというなら、水道をとめるなり、訴えるなりしたらいいだろう……大いに望むところだから、やってくれたまえ」

表玄関のほうで、だれかガヤガヤ騒いでいる。なんだろうと思って、出て見るなり、緋や、緑や、黄や、舞いたつばかりの威嚇するような色彩に眼を射られて、タジタジになった。

お揃いのようにショルダー・バッグをかけた、十八九から二十四五ぐらいまでの女のひとが二十人ばかり、車寄せの芝生に足を投げだし、ピクニックにでも来たような気楽なようすで、笑ったりしゃべったりしている。

どのひとも桃色のドーランを塗って、金時そっくりの赤い顔をし、額まで隠れるような、緑色の大きなサン・グラスをかけている。