Japanische Klassiker mit Furigana
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わがやのらくえん
我が家の楽園
久生 十蘭
Lesen Sie 我が家の楽園 (わがやのらくえん) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 90.195 Zeichen · 175 Bildschirme
なった。
「さっきの話のつづきをしよう。間もなく、家具がとどくといったが、どこから、そんなものがくるのか」
「家具だけじゃありません。電気冷蔵庫も、電気洗濯機も……それから、GIキャンプで働いていた、よく馴れたメードも一人頼んであります。すこしは、家らしくなるでしょう」
「臍繰りでは、問題にもなにもならないと、いっている」
「ですから、鶴居夫人が貸してくださることになっているんです」
石田氏は、憐れむように賢夫人の顔をながめながら、
「鶴居……ふむ、電産詐欺の、あの鶴居夫人のことかね?」
賢夫人は気もないようすで、
「さようです。鶴居夫人がこの家をごらんになって、気に入られたとみえて、こちらは建物の現物出資で、共同で、クラブ組織の寮をはじめようとおっしゃるんです」
石田氏は見る見る激昂して、
「話は、わかった……つまり、この家をパンパン宿にしようというわけだな」
「解釈は、まあ、いろいろですけど」
石田氏は地団駄を踏みながら絶叫した。
「やれるものなら、やってみろ……こんな家、火をつけて焼いてしまうから!」
賢夫人はニコニコ笑いながら、
「いまさら、この家を焼いたって、なんの足しになるんです? 子供が駄々をこねるようなことをいっていないで、マトモな相談をしましょう。