Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
わがあいするしじんのでんき
我が愛する詩人の伝記
室生 犀星
Lesen Sie 我が愛する詩人の伝記 (わがあいするしじんのでんき) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 116.728 Zeichen · 231 Bildschirme
一度に支払えない時は二度に分けて払い、宿の気受けも好く、ここでおちついて信用を得て勉強をしなければならぬと、永年の放浪生活から足を洗い、腹をすえていたのだ。
暮鳥の寝具の上げ下ろしは、勢い私がつとめる役目だった。この田舎の殿様は、感嘆これ措くあたわざる語調で或る日言われた。
「毎日寝具の上げ下ろしは大変だね。」
併し私は却って暮鳥のこの言葉が、不思議に頭にひびいた。何も寝具の上げ下ろしが大変なことはないはずだ、変なことをいう男だ、私は暮鳥がいつも夜具を自分で上げなくて、奥さんに上げて貰っていることに気がつかなかった。奥さんのある人のことでは、その家庭の様子さえはっきり判らないひとり者である私は、夜具の上げ下ろしが奥さんの役であることが、想像することさえ出来なかった。それから又、この牧師さんは事ごとにしみじみナゲクがゴトク、私の顔を見つめて言った。
「君は女の人もいなくて不自由だね、こんな所に一人下宿なぞしていてね。」
この言葉の、君はさびしそうだね、という、その意味もお世辞のように聴えた。奥さんという者を持った人間が、女のいない家に滞在していると、しきりに奥さんという者が引き合いに出され、思い返されて来るものらしかった。