Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
わがあいするしじんのでんき
我が愛する詩人の伝記
室生 犀星
Lesen Sie 我が愛する詩人の伝記 (わがあいするしじんのでんき) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 116.728 Zeichen · 231 Bildschirme
此世のものとは思へない浄い顔をしてゐる。
これはよく見かける古い版画、それは何時までも或る一定の古色と、真実と、そして貧乏たらしいために、したしめる情景である。この中にいる女というものの大きな激流が、しずまり切って大河の眩ゆさを見せている。これは千家元麿の愛しても愛しきれない光景でもある。
千家には家族詩が沢山あって、一旦家庭のことをうたうと、妻を讃え、子供を讃え、生きることを褒め、喜びはしゃいでいる。この人の性情がどんなにか何時も邪気なく、仕合せをもとめていたかが判る。妻の髪を洗うのを見ても、それが嬉しくなり詩にうたい込むような或る晩もあった。詩人というものは少々ずぼらで、でたらめであるという代名詞がそこらにあるが、千家にもそういう作品を見ないでもないけれど、その中で何行かの本物がぴかりと光っている。
次に掲げる「月の光」の重々しい物は、全く千家の思惟がここまでとどいている遠さを思わせるくらいだ。ここまでは入って行けないものだが、彼は懐中手をしてぶらりと入って出て、また入りこんでいる見事さを見せている。
月の光
天地も人も寝鎮まる
底無しの闇の中に
どこからか音も無く