Japanische Klassiker mit Furigana
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あるおんな
或る女
有島 武郎
Lesen Sie 或る女 (あるおんな) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.981 Zeichen · 295 Bildschirme
兄弟のない自分には葉子が前世からの姉とより思われぬ。自分をあわれんで弟と思ってくれ。せめては葉子の声の聞こえる所顔の見える所にいるのを許してくれ。自分はそれだけのあわれみを得たいばかりに、家族や後見人のそしりもなんとも思わずに帰国するのだ。事務長にもそれを許してくれるように頼んでもらいたい。という事が、少し甘い、しかし真率な熱情をこめた文体で長々と書いてあったのだった。
葉子は木村が問うままに包まず岡との関係を話して聞かせた。木村は考え深く、それを聞いていたが、そんな人ならぜひあって話をしてみたいといい出した。自分より一段若いと見ると、かくばかり寛大になる木村を見て葉子は不快に思った。よし、それでは岡を通して倉地との関係を木村に知らせてやろう。そして木村が嫉妬と憤怒とでまっ黒になって帰って来た時、それを思うままあやつってまた元の鞘に納めて見せよう。そう思って葉子は木村のいうままに任せて置いた。
次の朝、木村は深い感激の色をたたえて船に来た。そして岡と会見した時の様子をくわしく物語った。岡はオリエンタル・ホテルの立派な一室にたった一人でいたが、そのホテルには田川夫妻も同宿なので、日本人の出入りがうるさいといって困っていた。