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Japanische Klassiker mit Furigana

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あるしょうじょのしまで

或る少女の死まで 他二篇

室生 犀星

Lesen Sie 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.554 Zeichen · 228 Bildschirme

Aozora Bunko

と同時にその手はいきなり引かれて、観音の内陣の明るい燭火に向って合掌された。

私はそれを見ていて息が窒るような気がした。心持からか、彼女はすこし蒼ざめたような頬をして、その合せた左の手が不自然な、柔らかい恰好をして握られると、いきなり袂の中へ飛び込んだ。なぜ、ああいう美しい顔をしているのに、小さな醜い根性が巣くっているのかと、私はじっと見ていた。――彼女はそういう手段で幾度も幾度もやったが、だんだん機敏に、いきなり目的に向って、さきのような不必要な細心さや周到な注意を払うことがなかった。また、誰もこの美しい娘が小さな盗みのために坐っているとは思えなかった。私はこのことは記帳場へは話をしなかった。記帳場ではよくありがちなことであるから大概は意見をするだけで、見て見ぬふりをするのが多かったからである。

それから二、三日後、私は記帳場から何気なく境内の門のそとの道路を見ていると、一人の若い女が門のうちへ入ってくるのが見えた。そして私ははっとした。それは十八日の晩の女であったから私は驚いたのである。私はすぐにある不吉の場面を想像した。そしてすぐに例の秘密な節穴から彼女を監視することにした。