Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

あるしょうじょのしまで

或る少女の死まで 他二篇

室生 犀星

Lesen Sie 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.554 Zeichen · 228 Bildschirme

Aozora Bunko

「ええ。」

お玉さんは低い声ではあったが、心持のよい声で言った。そして、

「うちのものがうすうす知っていて、ずいぶんなことを言いますけれど……。」

私は力をこめて、

「表はいい人です。永くつきあってあげて下さい。」

「ありがとうございます。」と涙ぐんだ。

私は間もなく別れを告げた。藤棚の下の坂道を下りかけると、見送っていたお玉さんがいそいで走って来て、そしてもじもじしながら、

「あの――わたしお願いがございますの。」と低い声で言った。

あたりはもう暮れかけて涼しさが少し寒さを感じさせるほどになっていた。お玉さんはぴったり私により添って、

「いちど逢わして下さいまし。」

思い詰めたように言った。彼女の顔から発散する温かみが遠い炭火にあたるように、私の頬につたわった。それに烈しい髪の匂いがした。

「それは私も考えているんですけれど、表はそとへ出られないし、あなたは公然と訪ねて行けませんしね。」

「ほんとに私わがままを言いましたわね。ごめんなさいましね。」

彼女はじっと地べたを眺めて言った。その細いきゃしゃな頸首がくっきりした白さで、しずかに呼吸につれてうごいた。

「わたし、わるうございました。