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Japanische Klassiker mit Furigana

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あるしょうじょのしまで

或る少女の死まで 他二篇

室生 犀星

Lesen Sie 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.554 Zeichen · 228 Bildschirme

Aozora Bunko

失礼します。」

彼女は坂を上って行った。重い足どりが坂を下りて行く私にきこえなくなった。私は何気なく振りかえると、お玉さんは停って私の方を見送っていた。その愁わしげな姿は私をして胸をおもくした。

私は翌朝、父に表の病気の一日も早く全快するように誦経してくれるよう頼んだ。父は、法衣を肩にまきつけながら、

「あのお人かい。そりゃお気の毒だ。お経をあげましょう。」と言って本堂へ上って行かれた。

私もじっと父の誦経が降るようにきこえる下の壇で、一心に静かに祈っていた。どうにもならない病気とは知りながらも、何故かよそから力が加わることを信ぜずにはいられなかった。父の枯れ込んだ腹の底からな声は、古い本堂の鐸鈴にひびいたりした。厳そかな一時間がすぎた。

父は本堂を降りて来られた。その顔は憂わしげな、なにか不吉なものの予言に苦しめられているようであった。

父は言った。

「おいくつかね。」

「十七なんです。」

「実はね。お経中にお燈明が消えてしまったのじゃ。その方はむずかしいようだね。時時そういうお燈明の消えたことがあるが、そんなときはむずかしいね。」

父は私の顔をみつめた。