Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

あるしょうじょのしまで

或る少女の死まで 他二篇

室生 犀星

Lesen Sie 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.554 Zeichen · 228 Bildschirme

Aozora Bunko

と言ったが、私はその母なるひとの顔を見ると、何か取り込んだ落ちつかぬ色を見た。「お玉さんは。」と言うと母親は私のそばへ寄るようにして、

「実は先日からすこし加減をわるくして寝んでいますので……」

私はぎっくりした。すぐ、この前に会ったときの蒼い水気をふくんだ顔をすぐ思い出した。「うつったな。」と言う心のなかの叫びは、すぐに、「やられたな。」とつぶやいた。

「よほどお悪いんですか。」

「え。よかったり悪かったりして、お医者では永びくだろうと言ってらっしゃいましたが、やはり表さんと同じ病気だと思うんでございますよ。」

いくらか皮肉なところもあったので、私は、

「御大切になさい。どうかよろしく言って下さい。」と、すぐ表へ出た。

私は途途、あの恐ろしい病気がもうかの女に現われはじめたことを感じた。私自身のなかにも、あの病気がありはしないだろうかという不安な神経をやみながら、あの小さい少女らしい可憐な肉体が、しずかに家に横臥えられていることを考えると、やはり表のように、とても永くないような気がした。私はじっと噴水のたえまなく上るのを見ながら沈んだ心になって、公園の坂を下りて行った。