Japanische Klassiker mit Furigana
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あるしょうじょのしまで
或る少女の死まで 他二篇
室生 犀星
Lesen Sie 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.554 Zeichen · 228 Bildschirme
きっと会えるわね。」
私は階段を下りて、庭へでた。姉は隣へかえった。
私は書院へかえると、父には黙っておいた。私は「少年世界」をひらいたり読んだりしていたが、姉が今にも行きそうな気がしてならなかった。私は庭へ出た。見るものがみな悲しく、末枯れの下葉をそよがせていたばかりでなく、川から吹く風が沁みて寒かった。
座敷から父が、
「きょうは寒いから風邪をひくといけないから家へ這入ってお出。」と言った。
親切な父の言葉どおりに家へ入った。
私はだんだん自分の親しいものが、この世界から奪られてゆくのを感じた。しまいに魂までが裸にされるような寒さを今は自分の総ての感覚にさえかんじていた。
四、五日して姉の嫁くことが決定した。
その日の午後、姉は晴衣を着て母とともに二台の車にのった。
私は玄関でじっと姉の顔を見た。姉は濃い化粧のために見違えるほど美しかった。そわそわと心も宙にあるように昂奮していた。
「ちょいと来て――。」と姉は呼んだ。
私は車近くへ行った。
「そのうちに会いにきますから待っていてくださいな。それからおとなしくしてね。」
姉は涙ぐんだ。
「では行っていらっしゃい。