Japanische Klassiker mit Furigana
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あるしょうじょのしまで
或る少女の死まで 他二篇
室生 犀星
Lesen Sie 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.554 Zeichen · 228 Bildschirme
「おかねはあるんですから、上等なおべんとうを言って下さい。」と言った。看守は微笑して、
「よしよし。」と言った。
私は看守に、
「僕に湯か水か、願えたら茶を一杯くれませんか。」
「茶はぜいたくだ。一しょに来たまえ。湯ならあるよ。」と小使室へつれて行った。そこに温かい大きな茶釜が湧き立っていた。
「その急須はまだ出るだろう。やりたまえ。」と深切に言ってくれた。
私は出ながれの茶を静かに味った。うまかった。
しばらくしてOは呼ばれて出て行った。私は軽い胸さわぎを感じた。しかし私は私のしたことを正直に言うより仕方がないと思って、蚊をはらったりして待っていた。
間もなく呼ばれた。
白い服を着た剣をさげていない巡査どもがそれぞれテエブルに向って調べ物をしているところを通りぬけて、部長室へ行った。Oは私とすれちがいに入れ換った。
部長は鈍感げな、ぶくぶく肥えた、どんよりと曇ったような声で、一枚の図面をひろげて言った。
「君は此処に坐っていたのか。」と、酒場の図面の一部を指した。
「そうです。」
「このステッキはOの所有だね。」
Oの杖を出した。それに血の斑点がついていた。