Japanische Klassiker mit Furigana
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あるしょうじょのしまで
或る少女の死まで 他二篇
室生 犀星
Lesen Sie 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.554 Zeichen · 228 Bildschirme
入っていてもわるいことはないね。」
私は二人を見た。HもOも、ずるそうに微笑った。
私達は先方の男の傷の治療代や、示談を開始することのために今夜S酒場へあつまることにして別れた。私とOとは駒込の浴場に入ってからだを洗った。たえまない蚊の襲撃や、汗や、きたないもので体躯が一杯のような気がしていたので。
晩方、私はS酒場へでかけた。昨夜のああいう騒ぎがあったと思われないほど、道路はよく掃き清められて涼しげに打水がしてあった。私は地上をじっと見つめた。寂しい後悔が胸に起ってきた。そこらにまだ兇暴な呼吸が残っているような気もした。
酒場へ這入ると、おかみが出て来て、
「昨夜はおけがもなさいませんでしたか。わたし、一時はどうなるかと気が気じゃありませんでした。」
「すこし頭がいたむだけです。たいへん御迷惑をかけました。」
「いえ。よくあることですから、それに対手は淫売屋の亭主なんですって。対手が悪うござんした。」
「私もあまり質のよい人とは思わなかったのですが……」
「この界隈でも厭がられている暴れ者なんですよ。」
「そうですか。では示談もなかなかむつかしいでしょうね。