Japanische Klassiker mit Furigana
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あるしょうじょのしまで
或る少女の死まで 他二篇
室生 犀星
Lesen Sie 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.554 Zeichen · 228 Bildschirme
どうしてもペンキ屋にはなれない。」
「君にはとても我慢できないだろうな。でも暫く行っていたじゃないか。」
「一と月ばかり行っている間に、すっかり頭を荒されてしまった。もう行かない。自分の堕落が恐ろしくなる――」
温和しいかれは、寂しそうに私を見た。この友は非常に貧しかったが、その精神はいつも純潔な、まるで優柔なものをもっていた。
「では、このごろはやはり苦しいね。」
「うん。」
「じゃまだ食事前だな。」
「うん。」
かれはすこし赤くなって微笑した。私も金の用意がなかった。私は押入をあけて行李の中を見た。一枚二枚と失われて行ったなかに、まだこの友の食事に足りるものがあった。私はそれを一枚とり出した。
「これをかねにしないか。なるかね。」
かれは恥かしそうに見たが、
「なる、ありがとう。」
「おたがいだ。」
私はかれを表まで送って出た。
「からだを大切にしたまえ。」
「じゃ暫く借りるよ。」
「いつまでもつかってくれたまえ。」
友は闇の中を行った。
私の心は沈んだ。あの友と同じいように私も貧しかったからだ。
二、三日すると、Sはやって来た。そして金をとり出した。
「返さなくともいいじゃないか。