Japanische Klassiker mit Furigana
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あるしょうじょのしまで
或る少女の死まで 他二篇
室生 犀星
Lesen Sie 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.554 Zeichen · 228 Bildschirme
それは私どもの幼年の時代に、何かしらお伽噺のなかに見たような時計のような気がしたり、また、ああいう原始的な巨大な動物との対照上、時代錯誤的な、文明と野蛮とでもいうような感じを起させるのである。
「ふじ子さんは象がすきですか。」
「くさくて、きらい。」
「けれども温和しいから好きでしょう。」
「きらい。お猿を見ましょうよ。」
猿はかなり広い檻のなかに、追ったり馳ったり、喧嘩したりした。その悧巧な、快活に巫山戯るさまは総ての人に面白がられた。何かしら歯痒い一種の憎悪に類似した感覚があるにもかかわらず、かえってその無邪気だとまで思われる憎憎しさは、人人の笑いをさえ起させた。
私はその檻をかこんで眺めている人が、金網一枚を隔っているにかかわらず、猿の方でこちらを眺めていたら、どういう心持になるであろうと、気味悪くかんじた。
「お猿は可愛いわね。」と、ふじ子がいうので、
「どうしてです。あんな憎らしい顔をしているじゃありませんか。」
「顔じゃないわ。面白いことをするからですわ。」
私はすぐ答えができなかった。
「魚のぞき」は彼女を喜ばした。彼女は象や鶴やお猿を見たときとは、全然別な心からの愛をもって、そのお友達のような美しい阿蘭陀金魚の紅い尾や鰭ふるさまを眺めていた。