Japanische Klassiker mit Furigana
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あるしょうじょのしまで
或る少女の死まで 他二篇
室生 犀星
Lesen Sie 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.554 Zeichen · 228 Bildschirme
けれどもやはりどの道を歩いたか覚えなかった。
私は雑誌を机の上に置いたり読んだりしているうちに、これは是非父に言っておかなければならないと思いながらも、何だか非常に恥かしくも感じたが、しかし言いたくてしかたがなかった。私は父の室へ雑誌をもって這入って行った。
「東京の雑誌に私の書いたものが載ったんです。この雑誌です。」
と私は「新声」をとり出した。
「そうか。それはいい塩梅だった。一生懸命にやれば何んだってやれるよ。お見せなさい。」
父は私の詩をよんでみたが、解りそうもないらしい顔をした。いくたびも読みかえして、
「むかしの漢詩みたいなものだ。それとは違うかな。」
「まあ同じいものです。」
私は苦笑した。
私は自分の室へかえると、自分の詩が自分の尊敬する雑誌に載ったという事実を今ははっきりと意識することができた。そして、あの雑誌を読む人人はみな私のものに注意しているに違いないと思った。この故郷の人も近隣の若い娘らまできっと私の詩をよむに違いない。私は全世界の眩しい注目と讃美の的になっているような、晴晴しい押え難い昂奮のために、庭へ出て大声をあげたいようにさえ思った。