Japanische Klassiker mit Furigana
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あるしょうじょのしまで
或る少女の死まで 他二篇
室生 犀星
Lesen Sie 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.554 Zeichen · 228 Bildschirme
私の詩のよしあしを正しく批判するに値する人は、決してこの故郷にはいないように思われた。私は私の故郷に於いて最も勝れた詩人であることを初めて信じていいと思った。
私はその翌日から非常に愉快に生活することができた。私は毎日詩作をした。机にかじりつきながら、どうかして偉くならなければならないという要求のために、毎日、胸さわぎと故もない震えようを心に感じながら、庭の一点をみつめたままで暮すようなことがあった。それから選者のK・K氏に長い手紙をかいて、自分は決して今の小ささでいたくないことや、これからも殆んど自分の全生涯をあげても詩をかきたいことなどを伝えた。K・K氏は強烈な日夜の飲酒のために、その若い時代をソシアリストとして、しかも社会主義詩集まで出した人であった。返事が来た。
「君のような詩人は稀れだ。私は君に期待するから詩作を怠るな。」とあった。それから、ハガキで朴訥な、にじりつけたような墨筆で「北国の荒い海浜にそだった詩人に熱情あれ。」というような、何処か酒場にでもいて書いたもののようなハガキも来た。
私はその選者の熱情に深い尊敬をもっていた。そのころ詩壇では新しい口語詩の運動が起りかけていたが、流行を趁うことなき生一本なK・K氏の熱情にたいしては、その芸術よりも私は深く敬愛していたのである。