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Japanische Klassiker mit Furigana

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せんそうざっき

戦争雑記

徳永 直

Lesen Sie 戦争雑記 (せんそうざっき) von 徳永 直 (とくながすなお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.149 Zeichen · 25 Bildschirme

Aozora Bunko

父は、古手ではあるが、黒い紋付の羽織を着ていた。そしてお客達の真中に座って、チヤホヤする村の客人達に向って、ゲラゲラ笑ってばかりいた。客人はえらい人達がやってきた。第一に村長さんが、それはほんの一時間ばかりではあるけれど、「御苦労だったなぁ……」「何しろ凱旋で目出度い」「これも陛下の御威光のいたす所じゃ」などと、恐縮している父に、云って聞かせて帰った。かねて見向もしない村の人達が、殊更にお世辞を云って、お祝いに来たりした。恵美のうちのお祖父さんも来た。私は、なんだか嬉しくて仕様がなかった。

戦争が済んでからの半年ばかりは、いろんな凱旋を祝する催おしがあった。私は父に連れられて瓶詰の酒や、折詰を貰ってかえることがよくあった。本妙寺に祀られてある、加藤清正公の神苑で、凱旋祝賀会があったときにも、私は白色銅葉章と従軍徽章を胸に着けた父と一緒に行った。酒を呑んで赤い顔した女連が、兵隊に仮装して、長い剣をガチャガチャひきずりながら、宴会のところに、「万歳万歳」と云ってころげこんで来ると、長い鬚を扱いているえらい将校の人たちも、相格を崩して、女達に抱きついたりなんかした。