Japanische Klassiker mit Furigana
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せんそうざっき
戦争雑記
徳永 直
Lesen Sie 戦争雑記 (せんそうざっき) von 徳永 直 (とくながすなお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.149 Zeichen · 25 Bildschirme
私はその次の年、七歳で小学校にあがった。学校では遊戯のときでも、なんでもかでも、軍歌を教えられた。
月にわずか一銭と
……………………
一万二千八百噸
世界にならぶなしときく、
アメリカボーイと名付けらる。
ハッキリとおぼえていないが、こんな文句であった。歌の調子はいまも覚えている。私達は一年生のときから月に一銭の海軍軍艦建造費を徴収せられた。
この歌は、たしか日露戦争中に、建造された、日本で初めての大軍艦の、祝歌であった。
津田という、女の先生が、大きな産月近い腹を、グッと前に突き出して、足を高くあげ、手を振りながら、この遊戯と歌を、私達に教えた。私達は、先生の周囲を、円陣を作って、歌い踊りながら、戦争というものが、どんなに尊うといものか、人間と生れて戦争にゆかないものは、不具者に劣る者だと教え込まれた。
私は小児心に、父が戦争に行っていることが、非常に誇りであり、遊び友達の中で、肩身が広かった。
ある朝、学校の校庭で、御真影最敬礼ののち、校長先生は、出征軍人を父に持つ生徒を、講壇に上らして、その所感を述べさせた。無論小学校の生徒で、皆のまえでそんな所感など云えよう筈はなかったが、各受持の先生が、前の日に、云うべき文句を、暗誦させてあった。