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Japanische Klassiker mit Furigana

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げさくざんまい

戯作三昧

芥川 竜之介

Lesen Sie 戯作三昧 (げさくざんまい) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.807 Zeichen · 42 Bildschirme

Aozora Bunko

絵は蕭索とした裸の樹を、遠近と疎に描いて、その中に掌をうって談笑する二人の男を立たせている。林間に散っている黄葉と、林梢に群がっている乱鴉と、――画面のどこを眺めても、うそ寒い秋の気が動いていないところはない。

馬琴の眼は、この淡彩の寒山拾得に落ちると、次第にやさしい潤いを帯びて輝き出した。

「いつもながら、結構なお出来ですな。私は王摩詰を思い出します。食随二鳴磬一巣烏下、行踏二空林一落葉声というところでしょう。」

十一

「これは昨日描き上げたのですが、私には気に入ったから、御老人さえよければ差し上げようと思って持って来ました。」

崋山は、鬚の痕の青い顋を撫でながら、満足そうにこう言った。

「もちろん気に入ったと言っても、今まで描いたもののうちではというくらいなところですが――とても思う通りには、いつになっても、描けはしません。」

「それはありがたい。いつも頂戴ばかりしていて恐縮ですが。」

馬琴は、絵を眺めながら、つぶやくように礼を言った。未完成のままになっている彼の仕事のことが、この時彼の心の底に、なぜかふとひらめいたからである。が、崋山は崋山で、やはり彼の絵のことを考えつづけているらしい。