Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

てがみ

手紙

芥川 竜之介

Lesen Sie 手紙 (てがみ) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.390 Zeichen · 11 Bildschirme

Aozora Bunko

僕の記憶を信ずるとすれば、新聞は皆兄さんの自殺したのもこの後妻に来た奥さんに責任のあるように書いていました。この奥さんの年をとっているのもあるいはそんなためではないでしょうか? 僕はまだ五十を越していないのに髪の白い奥さんを見る度にどうもそんなことを考えやすいのです。しかし僕等四人だけはとにかくしゃべりつづけにしゃべっていました。するとM子さんは何を見たのか、「あら、いや」と言ってK君の腕を抑えました。

「何です? 僕は蛇でも出たのかと思った。」

それは実際何でもない。ただ乾いた山砂の上に細かい蟻が何匹も半死半生の赤蜂を引きずって行こうとしていたのです。赤蜂は仰けになったなり、時々裂けかかった翅を鳴らし、蟻の群を逐い払っています。が、蟻の群は蹴散らされたと思うと、すぐにまた赤蜂の翅や脚にすがりついてしまうのです。僕等はそこに立ちどまり、しばらくこの赤蜂のあがいているのを眺めていました。現にM子さんも始めに似合わず、妙に真剣な顔をしたまま、やはりK君の側に立っていたのです。

「時々剣を出しますわね。」

「蜂の剣は鉤のように曲っているものですね。」

僕は誰も黙っているものですから、M子さんとこんな話をしていました。