Japanische Klassiker mit Furigana
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そうわ
挿話
徳田 秋声
Lesen Sie 挿話 (そうわ) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.544 Zeichen · 53 Bildschirme
私もあすこへ行ってから、これでもよほど人が悪くなった」お絹はそんなことを言っていた。
でもお芳の方はいくらか溜めているらしかった。
その金瓶楼主が、きっと多勢引率して芝居にくるだろうと、お絹は思っていたので、電話がかかってくると、飛んでいって受話機を取った。
「芳沢さんや」お絹がかけ手の声をきくと、そう言って笑いながら、いつにない浮き立った調子で話していた。お芳も出てきて、三通話にわたった。
「芳沢さんってお爺さんのことか」
「ううん、運転士。どこも景気が悪いとみえて、芳ちゃんとお神さんと二人しか来んのや」
「けどこの上二人も来ちゃやりきれないじゃないか。僕は明朝辰之助にも断わろうと思っている」
「あの人たちはあの人たちで、どうかなりますわ」
「そんな気楽なことを言っていちゃ困るじゃないか」
そこにおひろもいて、話がまた紛糾を来した。道太は別に強く言ったつもりではなかったけれど、心臓でも昂進したようにお絹が少し目をうるませて、困惑しているのに気がつくと、にわかにいじらしくなって、その日は道太は加わらないことにしてしまった。兄の養嗣子の嫁の実家で、家族こぞって行くということも、辰之助から聞いていたので、むしろ遠慮した方が穏当のようにも考えられた。