Japanische Klassiker mit Furigana
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つめ
探偵クラブ 烙印
大下 宇陀児
Lesen Sie 探偵クラブ 烙印 (つめ) von 大下 宇陀児 (おおしたうだる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.509 Zeichen · 103 Bildschirme
「さア、……一向訳が分りませんね。先刻、竹中君の弟さんにも一寸訊いて見たのですが……」
「先刻ってのは?」
「三時間ばかり前に、僕は一寸ここへ顔を出したんです。何もこんなことがあるとは知らなかったのですが……」
「そうでしたか。や、しかし、実はもう分っていますよ。これァね――」
俵弁護士は、ここで急に声を低くした。
「最初はほんとうに訳が分らなかったんです。何しろ、女中の奴がいけませんよ」
「え、女中?」
「女中なんです。名前を忘れてしまいましたがね、昨日の朝のことだそうです、その女中が七時か八時頃に、故人の寝室へ這入って行きましてね。ええ、前夜吩咐けられていたのを忘れたので、故人の古いパジャマを洗濯に出そうとして行ったのだそうです。が、そこで行って見ると、寝室と研究室との境の扉が半分ばかり開け放したままになっていました。女中は吃驚してそれを閉めたのだそうです」
「というと?」
「お分りになりませんか」
「え、いや、ど、どういう意味なんでしょうか」
「故人が常々から、その扉のことを非常に気にしていたのだそうです。確乎り閉め切って置くべき扉だったのです。それで扉を閉めてから、又思い付いて研究室の方へも行って見ると、実験台の上がひどく乱雑になっておりました。