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Japanische Klassiker mit Furigana

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つめ

探偵クラブ 烙印

大下 宇陀児

Lesen Sie 探偵クラブ 烙印 (つめ) von 大下 宇陀児 (おおしたうだる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.509 Zeichen · 103 Bildschirme

Aozora Bunko

ふとしたことから知合ったので、それから二三度会ううちに、沖野は激しく良子を恋するようになった。が、それにしても彼は例の気弱いたちで、容易にその恋を打明け得なかったのである。シネマを観に行ったり散歩をしたり、幾度か機会には恵まれながら、もし万一にも拒絶されてしまったらと、沖野はそればかりを先きに心配し、ネチネチと煮え切らぬ態度しかとれなかった。もっともそれには、住谷良子が蠱惑的なうちにもどこか上品なところもあって、迂闊には近づき難い気もしたのであるが、そのうちに沖野が竹中を紹介すると、良子は忽ち竹中の中へ引き付けられて行ったのだった。もっと前に、自分が思切って打明けていたらなアと、流石に彼とても思うには思う。が、それはもう後の祭りで仕方がなかった。そして、このような臆病者の常として、彼はその後もおめおめと竹中と良子とに交際っている。三人で肩を並べて銀座通などを散歩する。――だが、表向きは彼等の恋を祝福するような顔をしていて、一人っきり淋しく下宿へ戻って来ると、堪まらない自己嫌忌の情に襲われたり、又は良子の美しい弾力のある姿態をそれからそれへと脳髄の中へ描き出し、不思議な情熱のやり場にき苦しむ。