Japanische Klassiker mit Furigana
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せっぷん
接吻
江戸川 乱歩
Lesen Sie 接吻 (せっぷん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.279 Zeichen · 13 Bildschirme
じゃあ箪笥へでもしまう積りかな、箪笥といっても、幾つもあるから後になっては分らない。兎も角、お花の跡をつけて見るに如くはない。で、宗三、そっと立上ると、女房のあとから、影の様について行った。
案の定納戸だ。今這入ったばかりのところで、まだ箪笥の錠前をガチャガチャ云わせている。一体、どの箪笥の、どの抽出へしまうのかと、幸の障子の破れに目を当てて、そっと覗いて見ると、何しろ二間兼用の五燭の電燈だから、それに障子の穴がやっと片目丈の大きさなので、見当をつけるのが、なかなか骨だったが、でも、兎も角、入口から云って正面の箪笥の上の、小抽斗の左の端ということ丈は分った。お花の後姿は、そこへ一物を投げ込むと、ビシャンとしめて大急ぎでこちらへやって来そうな様子。
見られては一大事と、宗三、元の茶の間へ逃げ帰ると、敷島を一本、つけるが早いか口へ持って行って、スパリスパリとすました。
それから、御両人睨み合いよろしくあって、だが、そうしていても際限がないので、どちらが口を切るともなく、砂をかむ様な世間話を二口三口取交している内に、やがて九時だ、宗三思惑があるのでいつもよりも少し早いのだが、早速床につく。