Japanische Klassiker mit Furigana
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ほうろう
放浪
織田 作之助
Lesen Sie 放浪 (ほうろう) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.614 Zeichen · 47 Bildschirme
手の痛みはどないやとも訊いてくれないのを、十三の年では可哀相だと女子衆の囁きが耳にはいるまゝに、やはり養子は実の子と違うのかと改めて情けない気持になった。
叔父叔母はしかし、順平をわざ/\継子扱いにはしなかった。そんな暇もないといった顔だった。奇体な子供だと思っても、深く心に止めなかった。商売柄、婚礼料理、町内の運動会の弁当、念仏講の精進料理などの註文が命だったから、近所の評判が大事だった。生国魂神社の夏祭には、良家のぼん/\並みに御輿かつぎの揃いの法被もこしらえて呉れた。そんな時には、美津子の聟になれるという希望に燃えて、美津子を見る眼が貪慾な光を放ち、ぼん/\みたいに甘えてやろ、大根を切る時庖丁振り舞して立ち廻りの真似もしてみたろ、お菜の苦情言うてみたろ、叔父叔母はどんな顔するやろと思うのだったが、順平は実行しかねた。その頃、もう人に感付れた筈だが、矢張り誰にも知られたくない一つの秘密、脱腸がそれと分る位醜くたれ下っていることに片輪者のような負け目を感じ、これあるがために自分の一生は駄目だと何か諦めていた。想い出すたびに、ぎゃあーと腹の底から唸り声が出た。