Japanische Klassiker mit Furigana
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ほうろう
放浪
織田 作之助
Lesen Sie 放浪 (ほうろう) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.614 Zeichen · 47 Bildschirme
二
いつの間にか、そんな男になっていた。脱腸をはじめ、数えれば切りのない多くの負け目が、皮膚のようにへばりついていたのだ。
二
文吉は夜なかに起されると、大八車に筍を積んだ。真っ暗がりの田舎道を、提灯つけて岸和田までひいて行った。轍の音が心細く腹に響いた。次第に空の色が薄れて、岸和田の青物市場についた時は、もう朝であった。筍を渡すと、三十円呉れた。腹巻の底へしっかりいれて、ちょい/\押えてみんことにゃと金造にいわれたことを思い出し、そのようにした。ふと、之だけの金があれば大阪へ行ってまむしや鮒の刺身がくえると思うと、足が震えた。空の車をガラ/\ひいて岸和田の駅まで来ると、電車の音がした。車を駅前の電柱にしばりつけて、大阪までの切符を買い、プラットフォームに出た。電車が来るまで少し間があった。そわ/\して決心が鈍って来るようで、何度も便所へいきたくなった。便所から出て来ると電車が来たので周章てゝ乗った。動き出してうと/\眠った。車掌に揺り動かされて目を覚すと、難波ァ、難波終点でございまァーす。早う着いたなァと嬉しい気持で構内をちょこ/\走りし、日射しの明るい南海通を真っ直ぐ出雲屋の表へかけつけると、まだ店が開いていなかった。