Japanische Klassiker mit Furigana
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しゃよう
斜陽
Lesen Sie 斜陽 (しゃよう) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 89.822 Zeichen · 176 Bildschirme
お母さまはお床の上に起き直るお元気もなくなったようで、いつもうつらうつらしていらして、もうおからだをすっかり附添いの看護婦さんにまかせて、そうして、お食事は、もうほとんど喉をとおらない様子であった。蛇を見てから、私は、悲しみの底を突き抜けた心の平安、とでも言ったらいいのかしら、そのような幸福感にも似た心のゆとりが出て来て、もうこの上は、出来るだけ、ただお母さまのお傍にいようと思った。
そうしてその翌る日から、お母さまの枕元にぴったり寄り添って坐って編物などをした。私は、編物でもお針でも、人よりずっと早いけれども、しかし、下手だった。それで、いつもお母さまは、その下手なところを、いちいち手を取って教えて下さったものである。その日も私は、別に編みたい気持も無かったのだが、お母さまの傍にべったりくっついていても不自然でないように、恰好をつけるために、毛糸の箱を持ち出して余念無げに編物をはじめたのだ。
お母さまは私の手もとをじっと見つめて、
「あなたの靴下をあむんでしょう? それなら、もう、八つふやさなければ、はくとき窮屈よ」
とおっしゃった。
私は子供の頃、いくら教えて頂いても、どうもうまく編めなかったが、その時のようにまごつき、そうして、恥ずかしく、なつかしく、ああもう、こうしてお母さまに教えていただく事も