Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しゃよう
斜陽
Lesen Sie 斜陽 (しゃよう) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 89.822 Zeichen · 176 Bildschirme
一
一
朝、食堂でスウプを一さじ、すっと吸ってお母さまが、
「あ」
と幽かな叫び声をお挙げになった。
「髪の毛?」
スウプに何か、イヤなものでも入っていたのかしら、と思った。
「いいえ」
お母さまは、何事も無かったように、またひらりと一さじ、スウプをお口に流し込み、すましてお顔を横に向け、お勝手の窓の、満開の山桜に視線を送り、そうしてお顔を横に向けたまま、またひらりと一さじ、スウプを小さなお唇のあいだに滑り込ませた。ヒラリ、という形容は、お母さまの場合、決して誇張では無い。婦人雑誌などに出ているお食事のいただき方などとは、てんでまるで、違っていらっしゃる。弟の直治がいつか、お酒を飲みながら、姉の私に向ってこう言った事がある。
「爵位があるから、貴族だというわけにはいかないんだぜ。爵位が無くても、天爵というものを持っている立派な貴族のひともあるし、おれたちのように爵位だけは持っていても、貴族どころか、賤民にちかいのもいる。岩島なんてのは(と直治の学友の伯爵のお名前を挙げて)あんなのは、まったく、新宿の遊廓の客引き番頭よりも、もっとげびてる感じじゃねえか。こないだも、柳井(と、やはり弟の学友で、子爵の御次男のかたのお名前を挙げて)の兄貴の結婚式に、あんちきしょう、タキシイドなんか着て、なんだってまた、タキシイドなんかを