Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
にいづまのしゅき
新妻の手記
豊島 与志雄
Lesen Sie 新妻の手記 (にいづまのしゅき) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.807 Zeichen · 22 Bildschirme
玄関の呼鈴の音にも、裏木戸の音にも、すぐに応じなければならない。女中のいない家では、主婦が女中の役をも兼ねるのである。この注意の分散は、私の頭を二重にも三重にも疲れさした。その上、隙だといっても、一軒の家の中には相当の用事がある。掃除や炊事や洗濯など、入念にやればきりがないし、買物や来客の接待などもある。翻訳の仕事など、私は半ば投げ出してしまった。
「少し出来ましたか。見せてごらんなさい。」
母はそう言って、原稿を見たがった。たとえ一枚でも二枚でも、原稿を見れば満足らしい。そしていつもほめてくれた。前に読んだ分まで繰り返して眼を通した。
「りっぱに出来ましたね。続けておやりなさい。」
母はまるで、自分の仕事を自分で鑑賞してるようだった。私はただ母のロボットに過ぎない気持ちがした。
夫、というのもへんだから、姓を呼ぶが、吉川は、文学などには趣味はなく、私の翻訳にも無関心のようだった。然し、次第に、無関心が軽蔑に変ってきた。夜分まで私が机に向ってることがあるのを、嫌がったのであろう。
「家庭の主婦が、原稿など書こうとしても、どうせ中途半端になる、にきまってるよ。