Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.659 Zeichen · 372 Bildschirme
――謙信、信玄のふたりが、共に、あれ程な実力と機略をもちながら、惜しき時雲を捉え得ず、一代を甲山越隅に送ってしまったのは、両雄、龍虎の争いを、相互の境に固執して、ついに眼を天下におくの大計を度外していたためでおざる。――もし両者にして、唇歯の誼みと、相互の軍事協約をむすび、早くより望みを中原にすすめたなれば……おそらく、今日の世は、よほど違っていたことは確かでおざろう」
かれは、咽喉が乾くか、頻りに、杯をあけ、汁ものを飲んだ。それを見て、家康が酌してやると、一献、二献、飲みほして、なお弁をふるった。
自分を謙信に擬し、家康を信玄に比し、二者協力して、天下に志を伸べん――というのが、かれの本音のところらしかった。
「秀吉ごときは、そもそも成り上がりのデキ星。到底、あなたの敵ではない。もし小牧の御陣を押し進めてお上洛りあらば、成政は前田を蹴ちらして、江州、京都へなだれ入り、大坂城の道を断って、猿めを、囲い捕りにしてお目にかけよう。……が、まずもって、緊密なるお打ち合わせと、今後の御腹中をも、うかがい申さねば相成らぬ。……徳川どの。腹をわって、篤と、御方寸を洩らされい」