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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.659 Zeichen · 372 Bildschirme

Aozora Bunko

鳴門陣

それを、もっと、血別的にいうと、弟も妹も、秀吉とは、父親が異っていた。異父弟、異父妹なのである。

父も母も、同じなのは、姉のおつみだけであった。

おつみは、後に、名を智子とかえ、三好武蔵守一路に嫁いで、三人の男子を生み、長男三好秀次は、もう成人して、先頃の長久手の合戦にも出て、一方の責任を持たされる程にもなっている。

秀吉が、特に、この秀次に目をかけて、年齢としては早すぎる重任を負わせたり、その失敗を叱ったり、かれの骨肉にたいする煩悩の一面を見せたりしたのも、実に、秀次それ自体の素質を愛していることよりも、

(姉の子じゃ。秀次を取り立ててくれたら、さだめし、姉も安心しよう)

と、姉によろこばれたいとする気持の方が、むしろ多分にあったのである。

かれの一生を通じ、その私生活面の心の中に、常に、忘れ得ぬ人として住んでいた女性は、母と、この姉だった。

もちろん、夫人の寧子は、これは、どこの女房とも、同じように、絶対的な位置と、発言権とをもって、良人の心を把握していたし、同時に、良人から把握されてもいた夫婦仲であるから、まず別格というべきである。

秀吉を繞る女性群としては、松の丸どの、三条の局、加賀の局、また、まだ少しあどけなさ過ぎるが、あの於茶々だの、於通だの、いまやその閨門の園も、色とりどりに、妍を競わんと